森林の仕事発見の旅。 林業って ツアー内容 参加申込 参加スタイル
参加者の声 前回の様子 インタビュー ナビゲーター

[友達にこのサイトを教える|メールマガジン登録]

ツアー内容

未来の林業を考える旅

林業見学・交流ツアー2006 参加レポート

平成18年6月10日(土)・11日 (日)
宮城県 宮城中央森林組合

平成18年6月10日(土)

9:00〜10:30 仙台駅出発・秋保工芸の里へ

 昨日大雨が降ったが、今日はなかなかの林業体験日和に恵まれた。 体験といっても、半日実際の作業をする訳だから、やはり炎天下や雨の中では、きつい。薄曇りの日が作業するのにもちょうど良いというわけだ。バスへ乗り込み、宮城の伝統工芸の工房が集まる秋保工芸の里付近へ向った。

10:30〜12:30 秋保工芸の里に到着・除伐体験

 今回の林業体験は、工芸品のこけしの材料となる山桜の植林とその前に、雑木の除伐をする地拵えだ。開会式が手短に終わると班にわかれ、ヘルメット、鋸、軍手が配られ、作業現場へと歩く。
 現場では、宮城中央森林組合の指導員の方々が、私たちを迎えた。手際よく、伐採の手順を実演するのは、熟練した指導員。お年は幾つなのだろう?もちろん若くはないが、そのきれの良い身のこなしに、ため息が漏れる。そして、作業の手順を説明してくれたのは、なんと若い女性だった。後で聞いてわかったのだが、彼女は、林学を学び、親元を離れこの地へ就職したそうだ。現在は森林所有者と現場との橋渡し役、現場監督のような仕事を担当しているそうだ。指導員というよりインストラクターという言葉が似合う。実際に彼女は宮城の森林インストラクターとして休日も森林環境の改善に向けて活動をしているという。

 説明が終わるとすぐに2人1組となって予め印のつけられた不要な木を除伐にかかる。通常はチェーンソーを使うようだが、初心者には危険であるし基礎を知るためにのこぎりを使う。直径たった10cm程度の木でも、のこぎりでは汗がにじむ。どの木を切ってどの木を残すか?どの方向へ倒したら作業が楽か?安全かどうか?一定でない自然を相手に常に判断を要求される仕事のようだ。

12:30〜16:00 昼食・植林体験

 そうこうしているうちに、林内がかなり明るく感じられるようになった。除伐がだいぶ終わったようだ。そして持ってきた昼飯を食べる。コンビニ弁当なのに、何故かうまい。山で働く人はもちろんコンビニ弁当じゃなくて手作りが多い。だって山にはコンビニがそうあるわけではないから。

 昼飯の後はいよいよ植林だ。これも闇雲に植えるわけではなく、まず等間隔に植える場所を決めるところからはじめる。2.5mの竹竿を使い、さらに植える場所へ竿を立ててゆく。苗は、今回は失敗の少ないポット苗を使う。ポット分の深さを十分に掘り、ゴミが入らないように土をかけ、さらに乾燥を防ぐように周りの枯れた草や葉など腐葉土をかける。その上を軽く踏みならし、夏の間に伸びてくる下草に紛れないよう、さきほどの竹竿をしっかりと横へさす。参加者40名弱で、150本を1時間ほどで終わったが、実際には1人で200〜350本も植えるそうだ。あまりに自分の作業ののろさとかけ離れていて驚くばかりだ。

16:00〜21:00 秋保町湯元 木の家に宿泊

 作業を終えた後、汗と土のにおいとともにバスに乗り込み、近くのロッジへ向かう。途中住宅や温泉ホテルが見える。いい風呂が期待出来そうだ。
 集まった時は見知らぬ人同士だったが、昼間の作業でなんとなく気の合う奴と話が出きるようになった。林業は必ず、班で行動し作業する。ある意味、命をかけた作業を共にする仲間と、自然を相手に達成感のある仕事をするというのは、本当にきっといいものなのだろう。
 食事はみんなでバーベキューだ。いつもよりだんぜん箸もすすむ。あっという間に時間がすぎ、夜が更けた。

平成17年7月11日(日)

9:00〜10:00 太白山自然観察園・宮城県の林業学習

 2日目は、朝からバスで移動して、太白山自然観察園にて、宮城県林業労働力確保支援センターの方から宮城の林業の説明や、昨日の指導をしてくれた宮城中央森林組合の佐々木課長代理から話しを伺った。
 「私は、森林林業の未来を考えたい。都市の中の森林組合という特色を生かし、いかに市民に森林の重要性や森林組合というものを理解してもらい、味方を増やして森林林業を変えて生きたい。林業は低収入という声も多い。だが、いろいろな方法で儲かる林業を私は諦めない。」
 言葉のひとつひとつに決意と信念が感じられた。胸がざわざわしてくるような感覚におそわれた。自分でも何か出来るのではないか?そんな気がしてきた。

10:00〜13:00 太白山自然観察園にて森林学習・昼食

 その後に、太白山の観察路を、みんなで歩く。樹木医にいろいろな樹木の特性を聞いた。コナラ、ウルシ、アオハダ、ソネ、イタヤカエデ、ミズキ、ナナカマド・・・。このあたりは古くから町の人が生活に必要な木を植えて利用をし、手入れをしてきた山だそうだ。そのため、広葉樹と針葉樹が交互に存在し、動植物にとって大変生活しやすい環境になっている。マキに使うケヤキやコナラなどの広葉樹は、20年程度で一度伐採する。そこからまたひこばえが芽生え、良いものを残して成長をさせ、また利用する。針葉樹も同じく、間伐をしながら、一定の明るさと木陰を森林に作り出し、そこへ映える植物や昆虫、動物などを守る。動植物だけじゃなく、昔から日本人は森林に手をかけ、そして森林に守られてきたのだ。

13:00〜15:00 移動・仙台駅で解散

 いつも旅や体験は、終わってみるとあっという間だ。駅に着くと急に現実に引き戻される。さっきまでどこか別の次元にいたようなそんな感覚を森林には感じさせる力がある。だが、森林は別次元でもなんでもなく、私たちの空気や水、また食べ物(農産物、魚介類)や住環境(木材、災害防止)にいたるまで、まさに生きるために無くてはならないものを支える、かけがえのないものだ。林業に就きたいという気持ちが一層強まった。この気持ちを失うことなく1人でも多くの人に、森林、林業の大切さを自分もまた伝えていけたらと思いつつ一日を終えた。

作業の説明
画像
手入れした森林に群生した薮萱草
画像
ペアになり指導を受ける
画像
倒された切り口
画像
班長を囲んで
画像
木の家ロッジ
画像
宮城中央森林組合のこと
画像
太白山自然観察
画像
おまけ:ハチ誘因材の作り方。森林組合のレシピ。木にぶら下げると半径2kmのハチが駆除できるという。みんな熱心にメモをしていた。
画像

バックナンバー